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COLUMN コラム

公益財団の医療法人による閲覧制度について

他の法人の業績がわかる


公益財団医療法人は決算書の閲覧制度がありますが、あまり活用したことがないという院長先生も多いのではないでしょうか。
閲覧制度があるということを知っていても、活用の仕方がわからないことも少なくありません。
活用シーンは様々ですが、他の医療法人がどんな業績なのかを知りたいときに使うことができるのです。
公益財団などの医療法人は毎期決算後の3ヶ月以内に事業報告書を管轄する各都道府県宛に提出することが義務付けられています。
事業報告書は主に6つあります。
一つは、事業報告書です。
これを見ると医療法人の概要や設立日、付帯業務や収益業務がわかります。
しかし、多くの医療機関ではHP上に公開しているため、わざわざ決算書の閲覧制度を使う必要はないかもしれません。


資料の種類でわかること


財産目録では土地や建物が自前か、賃貸しているのかがわかります。
賃貸対照表や損益計算書の内容を推測するのに、この財産目録が役に立つでしょう。
例えば、自前であれば賃貸対照表の有形固定資産が大きくなり、賃貸であればその他の資産が大きくなるからです。
賃貸対照表はそれぞれの区分が合計金額で記載されているため、勘定科目の内訳を知ることはできませんが財産分析をしてみてください。
流動比率や固定長期適合率などを分析すると実情が見えてきます。
損益計算書も各勘定科目の金額が分かりませんが、経常利益率などの財務分析に役立ちます。
また、賃貸対照表の固定負債を経常利益から法人税などを控除した金額で割ると、正確ではありませんが、利益の何年分の固定負債を抱えているのか知ることが可能です。
関係事業者との取引の状況に関する報告書ではMS法人、親族の取引を知ることができますが、該当なしと記載されていても全く取引が行われていないということではないため、注意してください。
最後の書類は監事監査報告書ですが、これはどの医療機関も同じような文章です。
このように、見方によっては分析することができます。
他の公益財団医療法人がどれくらい業績を上げているのか調査したいときは、上手に利用してみてください。