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COLUMN コラム

医療法人の一種「財団医療法人」のメリット 

財団医療法人の特徴

財団医療法人の大きな特徴は、評議員会を置く点にあります。
一方、社団医療法人は同様のポジションに社員総会を置いています。
財団医療法人は、個人または法人が無償で寄付する財産に基づいて作られた医療法人です。
そのため、最高議決機関に加え諮問機関としての性格も有する評議会が必要となるのです。
財団医療法人の評議会は、理事長や理事会から意見を求められた際、的確に回答しなくてはなりません。
株式会社に近い形態である社団医療法人と異なり、資金のすべてが寄付でまかなわれるため、お金の動きを常に適正化しておくことが重要なためです。
ただ、現存している財団医療法人の数は、実はそう多くはありません。
むしろ社団医療法人が約47,000ともいわれる中、財団医療法人は400程度と圧倒的に少ない状況です。
さらにこの約400という数字は、約30年前からほぼ変わらないのだそうです。
それは、後述するようなメリットが期待できる反面、重大なデメリットも伴うため、新規に設立されるケースが非常に少ないためなのです。


財団医療法人を設立するメリット・デメリット

まず、医師が財団医療法人を設立するメリットについてご紹介します。
大きな部分としては、患者さんや社会への印象です。
非営利での運営というものは、外から見て非常に好印象を与えます。
大きな自分の病院を持ちたいと考える医師にとって、これは大きな意味を持つことでしょう。
また、設立時の資産もすべて寄付でまかなうため、構成員への払い戻しによる資金減少の心配がありません。
これは、そもそも財団医療法人に「出資」という概念がないためです。
その他、特定医療法人、社会医療法人への移行を考える際、人員補充の面で負担が少ないことも嬉しいメリットです。
デメリット面で気にしておくべきなのは、財産寄付において贈与税がかかる点でしょう。
現在個人で事業展開している医師が新たに財団法人になれば、多くの場合、同族経営者による出資がメインとなることが多くなりますが、最初から多額の寄付を受けられるとは考えにくいものです。
そうした理由から、贈与税の課税以前に設立された財団医療法人は存続するものの、新規設立はほとんど見られない状態となっているのです。
現在、財団法人成りを検討中であれば、この点もしっかり考慮した上で判断しましょう。