株式会社リアルコンテンツジャパン|医療法人設立などの医療・介護分野の専門家

COLUMN コラム

公益財団の医療法人が送迎サービスを行う場合には

訪問サービスのデメリット


公益財団医療法人で、送迎サービスを行いたいと考えている院長先生もいるのではないでしょうか。
近年、都市部でも来院せずに自宅で療養している患者さんが増えてきました。
郊外であれば、アクセスがしにくく病院に行けないというケースが多いため、訪問介護や訪問診療を実施している公益財団医療法人もあります。
都市部でも取り入れたい医療サービスです。
厚生労働省も病院に入院してもらうよりも医療コストが下がるため推進しています。
しかし、訪問診療、介護では問題になることがあります。
一つは、訪問をする医師と看護師を確保しなければならないことです。
特に、郊外では募集することも難しくなってきており、広告を出しても募集してくれる人が少ない傾向にあります。
二つ目の問題点は、時間とお金の損失です。
あらかじめ患者さんと約束をしていますが、訪問すると不在だったというケースがあります。
そのような場合には医師が待つことになったり、後回しにして次の自宅へ向かったりすることになりますが、時間とお金が無駄になってしまうのです。
そこで、最近では訪問診療ではなく送迎サービスという手法を取る公益財団医療法人も増えてきています。


開始するにあたって注意したいこと


送迎サービスは、訪問診療、介護のように時間やお金が無駄になりません。
電車やバスが少なく、アクセスがしにくい郊外であっても通院できる便利なサービスですが、すぐに開始することができないため注意しましょう。
開始するためには、総会などで3分の2以上の賛成が必要になり、寄付行為を変更する必要があります。
そして、管轄の都道府県へ届出を行います。
さらに、一般旅客自動車運送事業や特定旅客自動車運送業の許可も取得しなければなりません。
これは、陸運局から取得します。
公益財団医療法人は非営利の団体であり、公益目的事業は非課税になるなど税制上の優遇措置があることから、業務範囲は狭く制限されています。
そのため、簡単に開始できるものではないのです。
附帯事業は認められていますが、管理体制のチェックが行われるため、手続きやルールを守って取り組むようにしましょう。