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COLUMN コラム

公益財団における特定費用準備資金の範囲とは

知っておきたい検討項目


公益財団を運営するにあたり、特定費用準備資金という言葉を聞く機会があります。
会計で問題になりやすいため、公益財団を正しく運営するためにも理解しておきましょう。
平成28年度における検討項目には、特定費用準備資金を積み立てる際には将来に予定された事業や事業拡大だけでなく収支の変動に備えて積み立てができるように要件を明確にできないかと検討されています。
これまでは不明確で適切とは言えない計画に基づいて計上する事例が多く、立入検査で指摘される公益財団も少なくありませんでした。
これは収支相償対策を目的としたものが多く、収支相償を満たしていない団体の救済が、今回の検討の背景にあるのかもしれません。
そもそも特定費用準備資金は将来、公益目的事業を行うために必要な費用が発生する計画がある場合に備えて特定化されたお金のことです。
賃借対象表上、特定資産に計上しますが、特定資産とは特定の目的のために使ったり、保有したり、運用する時に制約がある資産のことです。
現金だけでなく不動産も含まれており、特定資産と特定費用準備資金は同じものではありません。
意味を混同させないように注意してください。


範囲と要件


将来の収支変動に備えて積み立てができる財政調整引当資産は、会計の収支ベースが一般的だった時に余剰金残高を調整する手段として用いられていました。
使用目的は特定されていないため、特定資産には該当しませんが、特定費用準備資金にも該当しません。
なぜなら、目的が将来の公益目的事業のために発生する費用と断定ができ、金額が合理的に見積もることができなければ認められないからです。
また、特定費用準備資金を適切に取り扱うためには、5つの要件を全て満たしている必要があります。
例えば、資金の目的である活動を行うことが見込まれていることや、その目的ごとに他の資金と区別して管理し計上していること、目的以外に支出することができず、取り崩す時は理事会などの決議が必要であることなどです。
クリアしなければならない要件や該当範囲を理解した上で適切に計上しましょう。